裏に置くべきか悩みましたが、続きものなので表に。
シリアス、狂愛、暴力表現、R15。
じじいが闇堕ちしてます。イメージを損なう恐れがありますので、問題ない方のみお進みください。
浸月02
途切れぬ夕闇に浮かぶ血染めの月を、仰ぎ眺めてどれほどの時が過ぎただろうか。
灯のない本丸に人影はなく、無残に折られた刀剣がそこら中につきたてられている。
三日月宗近が独りこうして残ったのは、同胞の死を悼むためなどではなかった。
待つことには慣れていた。何年、何十年、何百年たとうとも待つつもりでいた。
腰掛けた縁側に身体が癒着し、このまま錆びついて動けなくなってしまったとしても、彼はそこで時が来るまで血染めの月を仰ぎ続けるつもりでいた。
荒れ果てた庭先の先で、砂利が跳ねる音がした。
嗚呼…
三日月は静かに瞑目する。
長かったのか、それとも短かったのか、時の感覚を失った自分にはそれすらも分からない。
夕闇を背負って現れた少女に、三日月はつと目線をやる。
顔色の悪い痩躯の娘が立っている。長い黒髪が夜風に吹かれ揺れる。黒いセーラー服が闇に解ける。色を失った影の中でただ唇だけが、鮮やかな色を浮かべる。
「日本国政府の命により、本日づけで就任いたしました。
と申します」
服が汚れるのも厭わず、娘は地面に伏せると、額をこすり合わせるほどに深々と礼をした。まるで臣下の礼を取るようなその姿が滑稽だった。たかだか刀相手に、道具相手に、決して逆らわぬ人形を国が寄越したのだ。
三日月は瞳の三日月のように唇に弧を描くと、娘の腕を掴みあげ、乱暴な仕草で屋敷の中へと放った。
体重の感じさせない紙のような身体が、畳に叩きつけられて声を上げる。したたかに背を打っては苦痛に顔を歪め、次の瞬間、目の前に深々と刺さる折れた刀剣に目を見開いた。
「哀れだろう?」
気づくと土足のまま屋敷に挙がった三日月が、血染めの月を背に立っていた。逆光で黒く塗りつぶされた顔に、瞳の月だけが怪しく浮かぶ。
「そこに居るのは加州清光だ。真っ二つに折れて、柄はどこかにいってしまった」
三日月はのスカートの端を踏みつけると、そのまま膝を落として馬乗りに覆いかぶさった。
鋼のように冷めた目をしているのに、指先は性急にの衣服を剥ぎ取り、刃のように尖った犬歯が首筋に押し当てられて血を滲ませた。
痛みにが低く唸る。その声に気を良くして、三日月は濡れた舌先での肌を撫でた。
「三づ…き…や、め…」
力いっぱい迫る身体を押し返したが、邪魔だと言わんばかりに両手はひとまとめに拘束されてしまった。空いた身体を堪能するように、舌先が胸の膨らみを伝い、もう一方の指先が腿を這い上がる。
「なにを抗うことがある…?」
三日月が耳元で低く笑った。
「お主はこのために捧げられた供物だろうて」
笑いながら下履きを剥ぎ取り、三日月の指先が花芯に触れた。びくり、とが身体を震わせると、愉快そうに三日月が目を細める。
「そこに突き刺さっているのは鶴丸国永。あちらに転がっておるのは燭台切光忠。そら、へし切長谷部がこちらに顔を向けておるぞ」
まるで刀たちが意識を持っているかのように、三日月の声は朗々と皆の名を呼ぶ。折られ、打ち捨てられ、錆びついた屍たちが、今も五感をもち感覚のすべてをに向けているかのように。
何対もの目に己と三日月のまぐわいを見つめられているようで、羞恥よりも恐怖が勝った。
だが、の拒絶の声を三日月は容易く食らってしまう。ぬるりと口内に侵入した舌がの舌先を絡めとり、唾液と共に呼気も声もなにもかも吸い尽くしてしまう。
「んう……ん、んん…」
ぴちゃぴちゃと隠微な水音が鼓膜を打つ。と、脚の付け根に膨張した熱を感じ取り、呆然としていた意識がふいに浮上する。
「ん!? んん! んん!!」
逃げる腰は容易く捕まり、何の準備もされていない虚ろに無理矢理に怒張を突き立てられた。
背が弓なりにのけぞる。快楽とは程遠い痛みに、歯は容赦なく三日月の舌に噛み付き、つめ先が背をかきむしった。
だが、三日月は柳眉をわずかに歪めただけで、さして痛みも感じぬような様子で無遠慮にの内部を犯した。がつ、がつと力任せに押し込まれる雄に、破瓜とは異なる血が太ももを伝う。潤滑油にしては血なまぐさいそれが、二人の結合部を汚して混ざる。
「善いか? いや、善くはないか、はっはっはっは」
軽薄な笑い声が響く中、三日月は多くの雄がそうであるように、肉欲に酔いしれ夢中で腰を振るった。びくびくと痙攣するほとは処女のように三日月を締めあげ、本人の意思に反して貪欲に雄を欲している。わずかな快楽さえ逃すまいと締めつけるそこは、媚びるように三日月の絶頂を待ちわびている。
「嗚呼…極楽よな」
湯船に浸かるような呑気さで、ほうっと三日月は吐息をつくと、極限まで腰をひき叩きつけるように摩羅を突き刺した。
「あぁぁああっ!?」
悲痛な声を上げて、の身体がびくんと跳ねた。一方的な欲は女の快楽をもたらすことなく、呆けた顔のの体内にびゅるびゅると白濁した精液を放った。
血と混ざりあい、得も言えぬ色に染まったそれに、三日月はふっと口角を持ち上げる。
「久方ぶりゆえ大層濃かろうな。なに、孕むことはあるまい」
三日月はするりとの白い腹部をなで上げた。衝撃に意識を凌駕され、呆然とするの頬に唇を押し当てる。
「どれほどの時を待ち詫びたことか…。もう逃さぬぞ、主」
呪いの言葉が静かに響く。
「前の主は俺を情夫のように扱った。その前の主は俺を奴隷のように毎夜抱いた。幾人もの人間の欲望が俺をこんな化け物にしたのだ」
だからーーーー、三日月はの脚を担ぎあげると、再び律動を始めた。痛みを訴えるような小さな悲鳴が律動と共に響く。
三日月は美しい顔で笑うと、そっと耳元で囁く。
「此度はお主が供物になれ…」
end
中途半端に設定だけAPHに絡ませようとして、
本田姓固定にしようかどうか小一時間悩んだ…
(そして設定広げるだけ広げて、続ける自信がないのでやめました!)