半兵衛と官兵衛が仲良くない&ヒロインに優しくない。
ヒロインが複数の男性と関係しています。
官兵衛が非道です。
それでも許せる方のみお進みください。
共犯者04
明くる日、半兵衛は官兵衛と共にいた。
官兵衛殿と大切な話があるから、と断って、を近づけさせなかった。は半兵衛が秘密を明かしてしまうのではないかと、気が気ではなかったが、半兵衛はそれを知った上でわざとの前で官兵衛に声をかけた。
「話とは何だ」
人気のない場所い連れ出すと、官兵衛は一分一秒でも時間が惜しいとばかりに本題を急いた。
「情緒がないなぁ、官兵衛殿は。わざわざ人払いまでしたんだから、一体なんだろうって少しはどきどきしてよ」
「下らぬ。用がないなら私は帰るが?」
「わー、待った待った。話っていうのは、の事だよ」
官兵衛はぴくりと眉をひそめた。
「は必死に隠してるみたいだけど……官兵衛殿、知ってるんでしょう?」
官兵衛は答えない。が、その沈黙こそが答えだ。
これだけ頻繁に男に呼び出され、官兵衛が気づかぬはずがない。
「官兵衛殿もひどい事するね。陣中に女がいればどうなるかわかってて、を戦に連れて来るんだから」
「……戦に来るのを望んだのはあれ本人だが?」
「ま、そうだろうけど。それでもとても大人な回答じゃないよ、官兵衛殿。がどんな気持ちで男の慰み者になっているのか、考えたことある?」
「下らぬ」
「官兵衛殿のためにって必死なんだから。それこそ、俺に抱かれる時だって、官兵衛殿の名前を呼んで――――」
「やめよ」
いつもより強い声音で、官兵衛が半兵衛の言葉を遮った。無表情は崩さない。だが、明らかに動揺している。
半兵衛は唇を歪ませて笑った。
「やめないよ。俺、官兵衛殿に確かめたい事があるから」
半兵衛の瞳がすうと細められる。
「常世姫ってさあ、夢を媒介にして視た物とか思った物を他人に伝えるんだよね。を抱くようになってから、俺決まって同じ夢を見るんだ」
暗闇の中に、響く欲望の声。野獣のような荒い息遣いが、耳を、鼓膜を、犯す。
「何人もの男に組み敷かれて、が泣きながら犯される夢。今より……ちょっと幼いから、数年前のものなんだと思う」
破瓜の痛みを訴えても、男たちの手は止まらず、何度も何度も貫かれる。
官兵衛の名を呼んだ。
助けてください痛い痛いいやいやだやめていやだいやだ助けて官兵衛様――――
だが、救いの手はなく、はただ涙を流して男の欲望を一身に受ける。
「可哀想にね。は今でも……官兵衛殿に裏切られた事を知らないんだよ」
奇妙と言えば、奇妙な話なのだ。
戦場で女が慰み者になる。その危険性を知った上でを伴ったのならば、それを何故防げなかったのかと。
防げなかった? 防がなかった?
否――――そもそも最初から、防ぐようなものではなかった。
「これは俺の推測だけど、を襲うように命じたのは官兵衛殿なんじゃないの?」
「何故そうなる」
「通過儀礼みたいなものかな。戦が長引けば長引くほど、そういう危険は高まっていくだろうから――――いざという時に、犯されたなんだって落ち込んでいたら使い物にならないからね。そんなの犬に噛まれたと思ってやりすごさなきゃ、とても戦場では生きていけない。だからさっさと慣らしておいた方がいいと思ったんじゃないの?」
証拠が欲しければその時の兵を探すけど?
そう付け加えると、官兵衛は無駄だと首を振った。
「一計に加担した者は皆、私が始末した。あの夜の事を知るのは、私とあれの他にはいまい」
「……結構簡単に認めるんだね」
「卿に嘘をついても意味があるまい」
幾分興が削がれたように、半兵衛はふうんと呻り声を上げる。
もっと動揺するかと思ったが、やはり官兵衛は筋金入りだ。
「卿は何がしたいのだ。まさか私をただ咎めに来たわけではあるまい」
「ご明察〜」
話が早いとばかりに、半兵衛はおどけた声を上げた。
「が言うには、女は嫉妬深くて、男は独占欲が強いんだって」
だからさ。
小動物のような動きで、半兵衛は小首をかしげると、
「俺のお願い、聞いてくれる?」
end
「共犯者」第四話。
夢ヒロインにあるまじき設定ですみま(ry
ヒロインがあんな風になってしまった最初のきっかけを作ったのは官兵衛。
果たして本当の共犯者は……?