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!CAUTION!
もういい加減しつこいと思いますが、この話にはキャラのイメージを損なう表現が多々あります。
変態という名の武士ばかりです。若干、話の内容が下品です。
それでも許せる方のみお進みください。




















一家狂乱・夜語





「尻だ」
「いいや、乳だ」
 自信満々に口にするには何とも馬鹿らしい言葉だが――――青年たちはそんな己の姿に何の疑いも持たず、堂々と言い放った。
「分かってねぇなあ、頭デッカチ。あのきゅっと引き締まった尻がいいんじゃねぇか。だいたいあいつの乳は貧乳だろうが」
 と主張する正則。対する頭デッカチこと三成は、ふんと鼻を鳴らすと、自慢の盗撮用一丸レフのレンズを磨きながら講釈を垂れるような口調で言う。
「でかさばかりを求めるのは餓鬼な証拠だ、馬鹿が。あの小ぶりの慎ましやかな乳こそが、真の大和撫子というものだろう」
 考えても見ろ、と三成は続ける。
「両腕で胸を隠しながら恥らう姿を想像してみるが良い。無駄に零れ落ちる巨乳より美しいと思わぬか?」
「ああ、まあ、そりゃあ……ありっちゃ、ありだな」
 一理あり、と納得する正則に、どうだ分かったか馬鹿め、と三成は訳知り顔をする。
 さて――――この頭の可哀想な子たち、もとい、子飼い達が何を話しているかと言うと、言わずと知れたの話である。のどこが一番魅力的か、といささか好色な目で品評しあっているのだ。
 なんとも馬鹿馬鹿しい話ではあるが――――若さ故。
 こうして布団を並べ宵待ちに話すことと言えば、そういう方面の話になってしまうのも致し方ない。
 さて。しばし、二人の変態――――もとい、変態という名の武士の話を傍らで聞いていた清正だったが、ついに二人の間に膝を進め、なってねぇな、と口を挟んだ。
「お前ら二人共、餓鬼だ。馬鹿。の一番といえば――――くびれだろう」
 まったく予想だにしなかった答えに、二人はほうとそろって声を上げた。
「力を込めれば今にも折れんという、あの細腰。抱きしめてみたいと思わないか?」
「あー、確かに……ついつい守ってやりたくなるよな」
「否定はせんな」
 うんうんと頷く三人。当然、頭の中ではの細い腰に腕を回す己の姿を夢想し、脳内を桃色に染め上げている。
 と、そんな三人の幻想を打ち砕くように、餓鬼だねぇ、と横から声が上がった。
 今まで黙って青年たちの妄想を聞いていた半兵衛だったが、ついつい青い幻想に我慢ができなくなり、口を挟んだのである。
「んだぁ、半兵衛。おっさんが口出すんじゃねーよ」
 と、険をあらわにする正則を一蹴して、わかってないなぁと半兵衛は肩をすくめる。
は裾が翻った時に、ちらりと見える足がいいんじゃん」
 自信満々に答える半兵衛に、正則が助平オヤジとぼそりと呟いた。
「あー、馬鹿にしたね!? ちらりずむを理解しないなんて、そっちこそ男子の風上にも置けないんじゃない? だいたい乳だとか尻だとか、見せればいいってものじゃないよ。ちらりと覗く、日に焼けてない白い太ももこその真価でしょ!」
 力を込めて熱弁する半兵衛に、三人は腕を組んで確かにそうかもしれないと心を揺るがした。
 主に飛刀といった飛び道具を獲物とするだが、接近戦に持ち込まれた時は短刀や体術によって敵と戦う事がある。大きく振りかぶり空を凪ぐ足蹴り――――その際にちらりと覗く太腿を脳裏に思い浮かべ、三人は益々深く頷いた。
 と、その時、おもむろに半兵衛が立ち上がった。
「どこ行くんだよ?」
 正則より投げかけられた質問に、半兵衛はにやりと笑みを浮かべ、
「この隣の部屋にが眠ってるなら……、決まってるでしょ」
「まっ、お前……夜這いに!?」
「馬鹿っ、あそこにはおねね様がいるんだぞ!?」
 ねねが共に寝る寝室に忍び込むとは正気の沙汰とは思えない。正則と清正は必死に引き止めたが、半兵衛の決意は揺らがなかった。
 それこそ、死地に切り込む武士の顔で頷くと、
「真の武士なら……死ぬ時は陣中で死にたいよね」
 と告げ、三人に背を向けたのだった。
 哀愁さえ帯びた半兵衛の背中に正則は敬礼し、
「半兵衛……あんた男の中の男だぜ!」
 と咽び泣いた。
「馬鹿、泣くな! 泣いたら半兵衛の男の誇りに傷をつける」
「そうだ……祈ろうぜ。俺たちの偉大な先輩が、無事に戦場から戻るのを……!」
 普段、対立している子飼いから何故か尊敬の眼差しを受ける半兵衛。
 影を纏って死地に赴くが如く襖を開ける、と――――
「愚か者が」
 みしり、と頭上より落ちた鬼の手が半兵衛の行く手を阻んだ。
 当然だが、経費削減のため一つ部屋にまとめられた部屋の中には官兵衛もいるわけで――――おかんべえと名高き官兵衛が、半兵衛の夜這い計画を黙って見過ごすはずもないわけで――――
「卿は愚かなのか? 一日に一度ならず二度までも、不埒な真似を働くとは……」
 乱世の火種は消し去るのみ、と官兵衛が浴衣姿で妖気球を手に力を込める。
「わー、待った待った! 官兵衛殿だって、の浴衣姿にぐらって来るでしょ!? 俺は男として至極当たり前の事をしているだけで……!」
「乱世の火種は潰えよ」
 ぷちっとまるでノミを潰すような要領で、官兵衛の放った鬼の手が半兵衛を押しつぶした。
 尊き犠牲を払い、男泣きに泣く子飼い達。
「下らぬ。そもそも、あれの価値はそのような所にあるのではない。あれの一番は――――うなじだ」
 と、真のむっつりが呟いたその言葉は、誰の耳にも届かず、静かに消えていった……




end


ごめんなさいごめんなんさいごめんなさい。
あっ、やめて、石投げないで。
男共のエロ談義でした。
ちなみに左近も同じ部屋に寝てますが、
加わると命が危ないので、狸寝入りをしています。