子守唄 半兵衛編
夢際に子守唄を聞いて、は小さく身じろいだ。
「ん、おねね様……」
覚醒しきらない頭で着物の端を掴むと、寝返りを打つ。
と――――
ねねの柔らかい膝とは異なる、筋肉の引き締まった膝を頭に感じ、ハッと目を覚ます。
「起きた?」
うっすらと開いた視界に半兵衛の顔があり、は驚いてがばりと飛び起きた。起きた拍子に、肩にかけられていた半兵衛の羽織がぱさりと床に落ちる。
「なっ、え、半兵衛様!?」
「おねね様が夕飯の準備あるからって言うから、代わってもらったんだ」
「代わってもらったって……」
では、自分は今までずっと無防備な寝顔を晒していたというのか。
涎とか垂らしてなかったよね、とは顔を赤くして唇を袖でぬぐう。
「ほらほら、まだ顔色悪いんだから寝てなきゃ」
半ば強引に引き倒されて、は再び半兵衛の膝の上に頭を乗せた。落ちた羽織をの肩にかぶせ、半兵衛はの頭の上に手の平を乗せる。
「あ、あの、半兵衛様……?」
こんな状態で眠れるはずがない。
だが半兵衛はなに? と上機嫌の顔で答える。
そして、
「がよく眠れるように、俺が子守唄うたってあげるよ」
微笑むと共に、半兵衛の優しい歌声が降りて来て――――
は戸惑いながらも、静かに目を閉じた。
end
官兵衛オチもちょっと書いてみたい……。
ところでうちのヒロイン、半兵衛に負けずよく寝てますね。