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 これは残酷なゲームです。
 欲望と狂気と小さな祈りのゲームです――――




人狼の館12





 夜が明け、四日目の昼が訪れた。
 宗茂の姿が見えない。
 ァ千代ははっと息を飲み込むと、宗茂の自室へと飛び込んだ。他の者もその後に続く。
 そして、部屋の中に宗茂の哀れな躯を見つけたのだった。


官兵衛「宗茂が喰われた、か」


 いつものように中央の部屋に集い、わずかな水で喉を潤す。さすがのァ千代も宗茂の死に、悲痛な表情を見せていた。
 官兵衛の一言により、霊能者と占い師たちが昨日の結果を報告する。


甲斐姫「霊視の結果を報告するわ。濃姫さんは……白だった。また私たち、無実の人を殺めちゃったのね……」

半兵衛「俺の結果も白だ。姫様は人狼じゃなかったよ」


 ァ千代は何も言わない。ただじっと、茶碗の中で揺れる水を見つめている。


元就「では占いの結果を報告するよ。私は半兵衛を占った。理由は昨日の発言に引っかかってね。だが、私の取り越し苦労のようだよ。結果は白だったよ。彼は人狼じゃない」

三成「俺は正則を占った。昨日はほとんど発言がなかったからな。疑いをかけられて身を潜める人外かと思ったが、人狼ではないという結果が得られた」

正則「あ、頭デッカチ。俺のこと疑ってたのか!?」

三成「落ち着け、馬鹿。発言の少ない者を疑うのは当然だ。白判定を得られたのだから文句はあるまい。それとも、官兵衛の言葉通り処刑されたかった?」

正則「てめっ!」

「やめなさい、正則!」


 今にも三成に飛び掛りそうな二人の間に、が割って入った。さすがにに手は挙げられず、正則は悔しそうにゆるゆると拳を下ろす。


「三成も。言い方ってものがあるでしょう?」

三成「ふん。俺とて……、人狼を見つけられない己の不甲斐なさに苛立っているのだよ」

甲斐姫「白判定が、続いてるものね」

左近「ま、仕方ないでしょう。本物の占い師はともかく、共有者のもう一人が名乗り出ていない以上、偽占い師も易々と黒判定は出せませんよ。みすみす罠にはかからない、と言ったところでしょうか」

官兵衛「その事だが、明日より占い師両名には、占いの範囲指定は外してもらおう」

元就「それは相手の占い師が占った相手も、占って構わないという事かな?」

官兵衛「そうだ。両名が白判定を出せば、その人物は間違いなく人間となる。逆に片方が黒判定を出せば……」

幸村「占い師ごとの組み分けが出来るという事ですね」

甲斐姫「そうね。今のところ同じ結果だけど……もし、あたし達の結果が分かれ始めたら、霊能者も一緒に組み分けすればいいって事ね」

くのいち「いいんじゃない? 一気に人外を引きずり出せちゃうかもだし」


 一同の賛同が得られた所で、官兵衛はでは、と仕切りなおした。


官兵衛「今日の処刑者についてだが……」


 官兵衛の冷徹な瞳が順に一同の顔を見渡していく。
 皆一様に緊張にこわばった顔をしている。


官兵衛「順当に考えれば、今日の候補は左近、ァ千代、幸村、くのいちとなるが何か意見のある者はいるか?」

幸村「官兵衛殿、少し宜しいですか? 実は昨日の犠牲者の事で、気になることが」

官兵衛「聞こう」

幸村「まず、最初の犠牲者は秀吉殿。次の犠牲者が信長殿。共通点は縁者が多いこと、そして二人の占い師よりそれぞれ白判定をもらっていた事です」

くのいち「え、でも秀吉さんは」

幸村「ああ、秀吉殿の場合は襲撃が先のため、結果論だと言わねばならないな。だが、私が気になっているのは宗茂殿の事だ」

ァ千代「宗茂が……なんだ?」

幸村「宗茂殿の縁者はァ千代殿のみ。そして、二人の占い師から白判定をもらっていたわけでもない。私が気になっているのは、なぜ宗茂殿が襲われたのか、です」

左近「なるほど。動機ってヤツですか」

くのいち「ん〜、確かに不自然かも。宗茂さんって完全灰色だし、もしかしたら妖狐とか狂人の可能性もあったんですよね? もしそのどっちかだったら、人狼にとって不利だし」

幸村「そうだ。人狼の目的を考えるならば、一人でも多く人間は減らしておきたいはず。だが、なぜ宗茂殿を襲ったのか……」

甲斐姫「普通だったら人間に一番近い人を狙うはずよね。官兵衛さんは、まあ狩人が守護してるかもしれないとして……」

元就「占い師と霊能者も襲われないだろうな。人狼ならどっちが本物か知ってるかも知れないけど、襲った瞬間もう片方が偽者だと露呈する事になるからね」

正則「っつー事は、襲われるのは占い師に占われて白判定もらった奴? ……って、あれ?」


 昨日の占いで白判定を得た二人――――と清正の二人に一同の視線が集まった。




end


台詞の敬語とタメ語がまざりすぎだ!
すみません、分かりづらいですねorz
ううう……、一応前の発言者に対して喋ってるという事にしておいてください。
さて、四日目に突入。
宗茂の死により疑われる人々、次回に続きます。