昨日はが初めて俺にパスタを作ってくれた記念日。ホントはちょっぴり茹で過ぎだけど、美味しいから全然問題なし! そんな幸せな食卓を思い出して一枚。
こんな風に俺のスケッチブックは、毎日の記念日で埋められていく。
真っ白なスケッチブックが一枚残らず、の色で彩られていく。
ねえ、これってすっごく幸せな事だと思わない?
俺は君の顔を思い出しながら、すっごくすっごく嬉しい気持ちになるよ。
君を思い出すだけで笑顔になれるなんて、君は俺の天使だね。
365日、毎日君の絵を書くよ。365日、毎日君との記念日にするよ。
君との大切な俺の宝物だから、今日という日に俺から絵を贈らせて。
そして、また明日から君の絵を書かせて欲しいな。
Ti amo,Amore mio.
095.記念日
「誕生日おめでとう、!」
差し出されたデイジーの花と、リボンのかけられたスケッチブックをは顔を真赤にさせて受け取った。
見て見て、とフェリシアーノに急かされてスケッチブックを開くと、まるで日記のようにその全てのページにの思い出が描かれている。
初めてヴェネツィアを訪れた日。初めてゴンドラに乗った日。初めてフェリシアーノの歌を聞いた日、初めてジェラードを食べた日。
自分ですら忘れていた日々が、鮮明に彩られて記録されている。その記録は写真ほど詳細ではないが、柔らかなタッチで歓びに満ちている。
ああ、もう ――――
どうして。
「気に入ってくれた?」
にこにこと微笑むフェリシアーノは、まるでパスタの味を尋ねるような気軽さで言う。
彼の描く絵ならば、世界中のコレクターが欲しがる名画だ。それをこうも容易くスマートにプレゼント出来てしまうなんて、イタリア男の本気を見せつけられてはどんな顔をすればいいのか分からなくなってしまう。
「ヴェー、どうどう?」
無邪気な笑顔を前に、の胸はきゅうと切なく締め付けられる。
「もう……どうして、貴方は」
は小さく呟くと、そっとフェリシアーノの胸に頭を預けた。
ヴェ!? と驚きの声を上げて、フェリシアーノはカチンコチンに固まってしまった。自分からこんな風に抱きつく事はあっても、今まで一度もから甘えられた事などなく、浮かした腕をどうすればいいのか分からず盛大に混乱する。
「あああ、あの、……えっと、喜んでくれ、た?」
湯気が立ち上るほどに顔を真赤にして尋ねれば、もまた蒸発してしまいそうなほど顔を真赤にして答える。
「もちろんです。こんな素敵なプレゼントをいただいて……私、どんな顔をすればいいのか分からなくて」
恥ずかしいです、とぎゅっとフェリシアーノのシャツを握りしめ、は顔を隠してしまう。その仕草が可愛くて、嬉しくて、思わずフェリシアーノはの背を思い切り抱きしめた。
一瞬、びくりと背を震わせてから、もフェリシアーノの腕の中に身体を委ねる。恥ずかしくて顔も上げられないが、そっと囁くような声で、
「また……私の絵を描いて下さいますか?」
end
きっとイチャイチャらぶらぶしてる二人の傍らで、爺様が吐血してると思うよ。
「さすがイタリア男、やりおるな!」みたいな感じで。