R15くらい。神威兄ちゃんがSっぽいです。
苦手な方はお戻りください。
殺した後に血の味を確かめるのは癖と言うより趣味なのだろう。舐めた後によく不味いと文句を言うくせに、それを辞める素振りは見せない。
まるで死の余韻を楽しむようにその味を確かめる。
真っ赤な舌先がぺろりと手の甲に飛んだ血を舐めあげて――――
その仕草がひどくイヤらしくて、ドキリとした。
赤い舌先
「なに?」
伏せ目がちにしていた瞳がくるんと途端にこちらを見て、は驚いて目を逸らすタイミングを逃した。視線は神威の赤い舌先に注がれたままで、盗み見を咎められたような居心地の悪さを感じる。
の視線の意味を理解していながら、神威は再びなに? と繰り返すと、挑発するようにゆっくりと舌先で血の跡を舐めあげた。
「……っ」
たったそれだけの行為なのに、何かとんでもなくイヤらしい物を目にしたように、は動揺してしまった。例えば服を脱ぐとか、自慰行為を見せ付けるとか、性に直結した何かを意図的に見せられた気分だった。
血の赤よりも神威の舌先の赤に、どくりとの心臓は跳ね上がる。
「ねえ、。どうしたの」
の動揺を知っていながら、あえて問いかける。神威の意地悪げな瞳が細められて笑う。
「なんでもない」
追い詰められるような危険を感じ取って、は後ずさった。
悪い空気が漂っている。脳を痺れさせる様な、思考を奪うような蠱惑的な雰囲気。
ココは危険だ、ココは危険だ――――本能の告げる警鐘に従っては神威と距離を取ったが、すぐに魔の手はを手中に捕まえる。
「ねえ。」
痛いくらいに腕を掴まれて、は目を細める。
だが、目の前に迫った妖しい瞳に、飛び出しかけた文句は喉の奥へと戻っていく。
「ココ。血で汚れてるよ?」
呟いて、の右手を取り、見せ付けるように目の高さまで上げる。
先ほどまで神威と一緒になって敵を屠っていたのだから、返り血の一つも浴びていよう。しかも素手で敵を穿ったのだから、その手は雫が滴りそうなほど濡れている。
神威は今にも雫が零れそうなそれを自分の口元に引き寄せて、ぺろりと指先を舐め上げた。
「ぁ……」
は驚いて手を引っ込めかけたが、神威がそれを許さない。
挑発するような視線をに向けながら、赤い舌先がちろちろと爪先を舐め上げた。
始めは猫が飼い主の指を舐めるように――――だが、やがて甘えるような仕草は、徐々に主導権を奪って大胆さを増していく。
ゆっくりと侵攻を始める舌先は、付け根に向かってつぅっと唾液を滑らせて這うと、指先ごと柔らかな口内へと導いた。
「やっ、神……!」
静止の声など鮮やかに無視して、神威はぱくりとの指先を銜え込んだ。
「ふっ……、ん……、んん」
わざとらしく淫靡な声を漏らして、柔らかな口内で包み込むように愛撫する。ちゅうちゅうと吸い上げ、指の腹を甘く噛んで――――恍惚と欲に蕩けた娼婦のような顔で、の羞恥を煽って笑っている。
「神、威……」
は泣きそうになりながら、肩を震わせて神威の与える愛撫に耐えた。
恥ずかしくて死にそうだ。
こんな事ならまだ――――ベッドに放り出されて服を剥がれる方が抵抗の仕様がある。
「もっ、お願いだから……」
熱に浮かれた顔で訴えると、神威の唇の合間からするりと白い指が抜けた。
唾液でてらてらと濡れるそれがイヤらしくて、ただの指先なのに直視できない。
「なんでっ、こんなことするの」
は耳の先まで顔を真っ赤にさせて俯く。
直接的な暴力や欲望には慣れていても、こんな遠回しな愛され方には慣れていない。どう対応していいのか分からない。
逃げればいいのか、迎えればいいのか、笑えばいいのか、泣けばいいのか。
ただ、赤い舌先に魅せられてしまって、身体の奥までぐずぐずに蕩けそうになる。
「何でだろうね。が物欲しそうな顔をしてたからかな?」
サディスティック全開に告げると、はますます泣きそうな顔をした。
もう止めてよ、そんなイタイケな視線を一切無視して。
神威はクククと喉を震わすように笑いながら、の頬に飛んだ血の染みにゆっくりと舌先を這わせた。
end
血を舐める仕草、けっこうエロイと思う。
(この後、きっとヒロインはまんまと美味しく頂かれてしまうのでしょう)