このシリーズには、狂愛、エロ、グロ、暴力的な表現が含まれます。
神威が病んでます。ヒロインが狂ってます。救いはありません。
ダルマ、四肢切断という言葉に嫌悪感を催される方は、閲覧をご遠慮ください。
問題のない方のみどうぞ。
勘違いしてそうだから言っておくけど、あの娘は俺のモノなんだよ。
わかる? 俺の“モノ”。俺の所有物なんだ。俺以外の場所にあっていいものじゃない。
お前だって自分の財布とか運転免許証が勝手にどこかに行ったり、誰かに盗まれたりしたら怒るだろ?
それと同じなんだよ。
は俺の手の届く範囲に在るのが当然なんだ。
だからさ。おかしいだろ?
俺の所有物が俺から離れようとするなんて。
ソコナシ04
ひゅーひゅーと奇妙な音をさせて気道にわずかな風が通り抜けて行く。瓦礫の上に蹲るようにして、血塗れで伏せるの身体を神威は冷ややかに見下ろしていた。
期待はずれだね、と小さく呟き、地に伏せたの髪を無造作に掴みあげた。
「俺に逆らうくらいだから、勝算があるのかと思ったら。ぜんぜん弱いよ、それじゃ俺は殺せない」
「う……」
宙に吊り上げられたが、わずかに瞳を開ける。
その目にはもはや闘争心は残っていない。それを詰まらなそうに眺め、神威は横殴りにの顔を殴打した。
あぐっと低い呻き声を上げ、が瓦礫の上に崩れ落ちる。
まるでボロ雑巾みたいだと、ぼんやりと神威は思った。
手加減をしたつもりはない。愛情故にそんな容赦は決してしない。
神威の攻撃を真正面から受けたの身体は、軽く見積もっても四肢は砕け、肋骨も何本かイっているはずだ。いくら夜兎とはいえ、骨を砕かれれば回復にはしばらくかかる。これでは自分の意思では移動すら出来ないはずだ。
「ねえ、」
爪先で転がし、ぼろぼろの身体を仰向けにした。
苦しそうに上下する、血がこびり付いた喉が妙にそそる。いつも澄ました顔で余裕のない振りなど見せないが、こうして命のぎりぎりの所でしがみついている姿がたまらない。
まるで情事の主導権を握るように、の身体すべてを支配したような恍惚とした心地が胸を満たす。
神威はぺろりと唇を舐め挙げ、の上に馬乗りになるように両膝をついた。ねえ、と呼びかけて、の傷だらけの顔を撫でる。
「シようよ。ここで。俺を気持ち良くしてよ。上手く出来たら赦してあげるよ?」
ねえ――――
囁くように、耳鼻をくすぐる様に、耳元で誘惑する声。
だが、は途切れ途切れの声で、それを拒絶した。
「い……や……か、むいとは……もう……その手、で……さわら……い、で……」
ゆっくりと零れ落ちていく透明な涙を、神威はひどく苛立った気持ちで眺めていた。
するり、と大粒の涙が頬を伝い落ちていった瞬間、神威の手刀がの肩口を貫いていた。
「い、あああああああああ!?」
の絶叫がこだまする。
だが、神威は冷ややかな眼差しを向けたまま、もう一方の腕を掴み力を込めた。めきめきとまるで木の枝が軋むように、骨が鈍い音を立てる。
「。そんなに俺に白兎を殺されて悔しかった? だってあれだけ嫌ってたじゃないか。なのに、なんで俺が殺しちゃいけないの?」
みし、みし、びり、びり。
いまだ聞いたことも無いような不可思議な音が、身体の奥からする。
痛みで気絶しそうなぎりぎりの所で神威は手を止め、の意識が落ち着いた頃に再び力をかける。
「い、い、あ、あぁ、あ、あああ、あぁ……」
「それとも俺に殺されるより、銀河中のエロジジイ共に刺される方が良かった? 夜兎の誇りを捨てて、家畜みたいに?」
神威の詰問は続く。だが、激痛に耐えるに答える余裕などあるはずがなかった。
みしり、と一際強くの腕を握って神威は質問を重ねる。
「ねえ、教えてよ? 俺に言ったよね。俺もアイツらと同じだって。倒錯的な欲で白兎を刺すあのクソヤロウ共と一緒なんでしょう? のこと、白兎みたいにただ支配したいだけなんだって」
ねえ――――
嗤きながら、神威はの腕を掴み思い切り引っ張る。
「教えてよ。ソレ、どーゆう意味? だから何なの? 俺がを支配して何がいけないの? お前は俺のモノだろ。俺に抱かれて、喰われて、捧げられるために要るんだろ?」
「いや、あ、あっ、あっ、か、むい、神、威、」
「わかりきったこと言わせるなよ。所有物が勝手に離れるな。俺の手の届く場所にいろ。お前には、生きる場所も、死ぬ場所もない。選べるなんて思うのは思い違いなんだよ」
「か、む……いや……神」
ねえ、と悪魔のように嗤いながら、
「言う事を聞かない手足は、もう取っちゃおうか?」
そして、ぶちっと。まるでチキンの足をもぎ取るように、の白い腕は千切れたのだった。
end
「病んでる? だからナニ?」
そんな事を言い出しそうな兄ちゃんでした。